荒木法律事務所は、IPBC Japan 2021にHost Sponsorとして参加いたしました。
本年のIPBC Japanは、2021年12月9日・10日の2日にわたり、オンラインで開催され、IPに関する複数の興味深いトピックが議論されました。弊所からは、弁護士荒木昭子がAlliances, aggregation and deal structuresのセッションに登壇いたしました。本ニュースレターでは、セッションの簡単なご報告をさせていただきます。ご登録・ご参加くださった皆様にはお礼申し上げます。
IPBC Japan 2021のご報告とお礼
IPBC Japan 2021にご登録・ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました。弊所の弁護士荒木昭子が登壇しましたAlliances, aggregation and deal structuresのセッションでは、標準必須特許(SEP)等のライセンス経験が豊富なパネルにより、IP分野のアライアンスについて、特許権者側と実施者側双方の立場を踏まえ活発な議論がなされました。
荒木からは、これまでのSEPのライセンス・訴訟の実務経験も踏まえ、大要、以下のご報告をさせていただきました。
– パテント・プールについて
実施者の立場からは、取引コスト削減等の観点からパテント・プールを通じた一括ライセンスを取得することのメリットは広く論じられています。他方で、特許権者としてはプール外の個別交渉のメリットを強調する意見もみられるなか、荒木からは、特許権者側にとっても、コスト削減効果やプールへの貢献に基づくリターン等の観点から、パテント・プールを活用することのメリットがあることについて、具体例を挙げてご説明させていただきました。
さらに、SEPの分野では、昨今、異業種間ライセンスの重要性が増す中で、現に特許権者側・実施者側にプレイヤーの数が増大しており、今後さらに増大するであろうこと、異業種間でライセンス実務の共通認識が欠けていることなどから、ライセンサー側・ライセンシー側双方にとって、プールを活用する重要性がさらに増大すると思われることについても、言及させていただきました。
– 実施者側の連携について
他方で、SEPライセンスの異業種への波及を背景として、昨今は実施者側の連携についても議論されています。セッションでは、このような実施者側の連携についても簡単に議論がなされました。具体的には、他のパネルの皆様のご意見も踏まえつつ、実施者側の連携については競争法上の論点をクリアにする必要があることや、ライセンシー側としてはライセンス料の支払いはビジネスに直結することからライセンサー側よりも増して利害調整に努力を要するであろうことを述べさせていただきました。
ライセンス全般にいえることですが、特にSEPのライセンスにおいては、ライセンサーとライセンシーとのバランスが非常に重要です。異業種間ライセンスの実務の拡大により、実務的にクリアにしなければならない課題が多岐にのぼりますが、今後、双方のバランスをとりつつ、ベストプラクティスの構築に向けて努力していかなければならないフェーズにあります。弊所としても、これまでの経験を踏まえ、プラクティスの構築に向けて貢献していきたいと考えております。
イベントの詳細は、主催者IAMのウェブサイトよりご覧いただけます。
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